「最強の門番」
昔々あるところに一人の門番がおりました。
その門番は大層強く、力づくで門を通ろうとする者は誰一人として通る事が出来ませんでした。
その門番が与えられた命令はたった一つだけ。
「私の許可なく一切の人を通すな」
お城の殿様に与えられた命はただのそれだけでした。
与えられた命令を忠実に馬鹿マジメにこなす門番は、許可された人以外を一人として通す事がありませんでした。
晴れの日も、雨の日も、風の日も。毎日毎日、命令されたように忠実に城門を守り続けました。
ある日、城を攻め落とそうとやってきた敵軍も命令に従って一人で押しのけるほど、門番は命令を忠実に実行し
それが出来るほど強かったのです。
そして人々はそれを見て、その門番のことを"最強の門番"と呼ぶようになりました。
ですが門番は何も変わりません。人々がどれほど褒め称えようと、殿様や城の人々が褒め称えようと自分は門番。
やることは今までと変わらず。ただ門を守るだけでした。
そんなある日の夜。またしても城に敵軍が攻め入ってきました。
しかし、その敵軍は門の前に立ちはだかる門番を見つけぎょっとなります。
それもそのはず、もはや最強の門番の噂はよその国まで知られるほどでした。
そんなわけで尻込みした敵軍は遠巻きから門を眺めるばかりです。
しかし門番はわざわざ敵軍に手を出しません。門の前に立って今も門を守り続けています。
そんな中、敵兵の一人がよい案を思いつきます。
門番が倒せないのなら門番にバレない位地から城壁をよじ登って中に入ろう。
その案はなかなかよい案に思えたので敵軍の大将もそれを採用しました。
そうして門の正面で立ち往生していた敵軍は門から離れ、門番の見えない位地から縄やら何やらで城壁を登り始
めました。
門番は、敵軍が門を攻めずに去っていった様を見て怪訝に思いましたが、攻めてこなかったので一安心しました。
そんな中、しばらくして城の中から叫び声が聞こえました。そしてまたしばらくして火の手も上がり始めます。
ですが門番はその場に立ち尽くしたまま動こうとしません。
城の異変に気が付いた周囲の町人たちが門まで近づいてきます。
「門番さん。城が攻め入られてますよ!! なぜ城の中に助けに行かないのですか!?」
町人は口々に門番に叫びました。
そして門番はゆっくりと口を開きます。
「私の受けた命令は門を守ることです。城の中を守ることまでは命令されていません」
門番は淡々とそのことを告げ、いつものように門を守っています。
人々はさらに叫びますが門番はいつものように、そこにたたずむだけで何も聞こうとはしませんでした。
城から火の手も消え、すっかり明け方になった頃。
敵軍は攻め入った時と同じように城壁から縄を伝って、攻め落とした城を去っていきました。
門番からはその敵軍が引き上げていく様がチラリと見えました。 が、何も変わりません。
いつもの朝のように、門番はそこに立っています。
ボロボロに焼け焦げた門の前に立ち、命令された通りの馬鹿マジメに門を守り続けていました・・・
■あとがき(?)
とりあえず何これ? なんとなく昔話みたいなものが書きたくなったから書いてみた。
制作時間は構想段階を含めても30分かかってないかな?
あと挿絵みたいのミスったw もちょっと門番の姿が見えないとなぁ……
先に門から描き始めてたら、その門の絵も小さかったので人とか描き込める要素が無かったw
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